フィットネスクラブの新規事業参入・新規店舗開発・店舗リニューアル・
マーケティング・集客改善・社員教育

お問い合わせ・ご相談
お電話でのお問い合わせはこちら 03-5443-6700
コラム COLUMN

3万人のビッグデータが示す「夜食」と「記憶力」の意外な関係

2025年11月19日
投稿者 : フィットネスコンサルティングネットワーク編集部
株式会社ファンケルは、オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」の利用者33,246名の食習慣・生活習慣アンケートをもとに、「記憶力の低下」と生活習慣の関係を解析する調査を実施しました。対象は初回購入時20~69歳の男女。記憶力の低下を自覚している人とそうでない人の回答を比較し、食事・睡眠・運動の3つの観点から分析を行っています。

今回明らかになったのは、就寝前2時間以内の食事(いわゆる“夜食”)と記憶力低下が強く関連している可能性です。また、睡眠時間の長さや運動習慣も記憶力の維持に影響することが分かりました。

 

■ 夜食の頻度が高いほど「記憶力低下」を感じやすい

 

まず注目すべきは、「就寝前2時間以内に食事をする頻度」と記憶力の関係です。調査では、夜食の頻度が高い人ほど「記憶力が低下した」と感じる割合が高いという結果が得られました。興味深いのは、週1回未満の少ない頻度であっても、まったく食べない人より記憶力低下を感じる傾向が有意に高かった点です。

夜遅い時間の食事は、眠るタイミングでも腸が活動し続け、脳も覚醒状態に近づきます。睡眠の質が低下することで脳の疲労が回復しきれず、結果として記憶力の低下につながる可能性が示唆されています。

 

■ 睡眠は「6時間以上」で記憶力低下のリスクが低下

 

次に、睡眠時間と記憶力の関係を調査した結果、6時間以上の睡眠を確保している人は、6時間未満の人に比べて記憶力の低下を感じにくいことが明らかになりました。

睡眠不足はインスリン抵抗性を招き、脳のエネルギー源であるグルコースの取り込みを妨げます。それによって神経細胞がダメージを受けやすくなるため、記憶力に悪影響が出ると考えられます。

 

■ 週2回以上・1回30分以上の運動習慣が有効

 

さらに、週2回以上の運動習慣がある人は、「ほとんど運動していない」人に比べて記憶力低下の自覚が少ないことも分かりました。

運動は脳へのグルコース取り込みを促進し、脳内にエネルギーを蓄えることで神経細胞を守る働きがあります。継続的な運動は身体だけでなく、脳の働きにも良い影響を与えることが改めて裏付けられました。

 

■ 専門家が指摘する「脳腸相関」の重要性

 

食事と記憶力の関係について、食事摂取基準の策定にも携わる柴田克己先生は「脳と腸は密接に連携しており、夜食が脳の働きに影響を与える可能性がある」とコメントしています。

就寝前にしっかり食事をすると腸が活動状態のままとなり、脳の神経活動が高まり眠りにくくなります。これが慢性的な睡眠不足を招き、記憶力低下につながる悪循環を生むというわけです。

そのため、どうしても夜にお腹が空いてしまう場合は、日中に間食を取り、夜の食事量を控えるなどの工夫が推奨されています。

 

■ 生活習慣の見直しが“記憶力の維持”につながる

 

今回の調査は、食事・睡眠・運動が相互に関わり合いながら、記憶力に影響していることを示しています。夜遅い食事を控え、睡眠時間を確保し、適度な運動を続けるという、いわば基本的な生活習慣こそが脳の健康に直結しているのです。

ファンケルは、これまでの健康食品による「栄養」面のサポートに加え、睡眠・運動を含めた総合的な健康サポート企業への進化を掲げています。今後もパーソナルワンで蓄積された大量データを活用し、新たな健康知見の発信を続ける予定です。

 

また、忙しい現代人のために、自宅で気軽に参加できるオンライン運動プログラムも提供。スキマ時間で運動習慣を身につけたい人にとって、無理なく継続できる選択肢となっています。

 

3万人以上のビッグデータが教えてくれるのは、「毎日の小さな行動」が未来の記憶力を左右するということ。夜の食事を少し早める、睡眠時間を30分延ばす、週2回の軽い運動を取り入れる――そんなシンプルな習慣の積み重ねが、脳の健康を守る第一歩になるのではないでしょうか。