3万人のビッグデータが示す「夜食」と「記憶力」の意外な関係
今回明らかになったのは、就寝前2時間以内の食事(いわゆる“夜食”)と記憶力低下が強く関連している可能性です。また、睡眠時間の長さや運動習慣も記憶力の維持に影響することが分かりました。
■ 夜食の頻度が高いほど「記憶力低下」を感じやすい
夜遅い時間の食事は、眠るタイミングでも腸が活動し続け、脳も覚醒状態に近づきます。睡眠の質が低下することで脳の疲労が回復しきれず、結果として記憶力の低下につながる可能性が示唆されています。
■ 睡眠は「6時間以上」で記憶力低下のリスクが低下
睡眠不足はインスリン抵抗性を招き、脳のエネルギー源であるグルコースの取り込みを妨げます。それによって神経細胞がダメージを受けやすくなるため、記憶力に悪影響が出ると考えられます。
■ 週2回以上・1回30分以上の運動習慣が有効
運動は脳へのグルコース取り込みを促進し、脳内にエネルギーを蓄えることで神経細胞を守る働きがあります。継続的な運動は身体だけでなく、脳の働きにも良い影響を与えることが改めて裏付けられました。
■ 専門家が指摘する「脳腸相関」の重要性
就寝前にしっかり食事をすると腸が活動状態のままとなり、脳の神経活動が高まり眠りにくくなります。これが慢性的な睡眠不足を招き、記憶力低下につながる悪循環を生むというわけです。
そのため、どうしても夜にお腹が空いてしまう場合は、日中に間食を取り、夜の食事量を控えるなどの工夫が推奨されています。
■ 生活習慣の見直しが“記憶力の維持”につながる
ファンケルは、これまでの健康食品による「栄養」面のサポートに加え、睡眠・運動を含めた総合的な健康サポート企業への進化を掲げています。今後もパーソナルワンで蓄積された大量データを活用し、新たな健康知見の発信を続ける予定です。
また、忙しい現代人のために、自宅で気軽に参加できるオンライン運動プログラムも提供。スキマ時間で運動習慣を身につけたい人にとって、無理なく継続できる選択肢となっています。
3万人以上のビッグデータが教えてくれるのは、「毎日の小さな行動」が未来の記憶力を左右するということ。夜の食事を少し早める、睡眠時間を30分延ばす、週2回の軽い運動を取り入れる――そんなシンプルな習慣の積み重ねが、脳の健康を守る第一歩になるのではないでしょうか。
