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コラム COLUMN

フィットネスクラブで高額コースを販売するには

2017年10月05日
投稿者 : 五十苅 知博
一般のフィットネスクラブスタッフは、ディスカウント商法に慣れてしまっているので、高額コースは金額に引け目を感じてクロージングが上手くいかないケースがあると思います。

なので、PR説明のストーリーと、高額パッケージ商品の契約を取るまでのクロージングを説明していきます。

誰に売るのか

クラブでの楽しみ方を覚え、仲間ができた会員は、体験会などは喜んで参加しますが、なかなか購入していただけないのが普通です。

原因は幾つかありますが、入会後のスタッフ対応のまずさと、能力不足の露呈も大きな原因であることは間違いありません。なので、成約がとれる販売対象者は新規入会者となります。

他の業種同様、キャンペーンを撒き餌として使い、セールスで大きな売り上げにつなげていく流れを作ることです。

小さなイエスの積み重ねが大きなイエスを生む

高額パッケージ商品を販売する以前に、入会をいただかなければなりませんので、セールスブックは最初から作成することになります。

会社案内、クラブのポジショニング、エリア・プログラムPR、基本料金プラン説明を、前号で解説した紙面作成方法で完成させておかなければなりません。

スタッフも当然、話法訓練で学習したポイントを意識して、各エリアで小さなイエスを確実に取っていかなければ、ベースの入会すら獲得できません。

話法訓練に関しては、以前書かせていただきましたので、バックナンバーを読んでいただければポイントは分かると思います。基本セールス話法である、「イエス、クエスチョン、オウム返し」を駆使すること。さらに、絵本の読み聞かせ訓練で、お客が理解できるスピードと感動を呼ぶメリハリを習得しておくことです。

おさらいイエス確認

エビングハウスの忘却曲線によれば、人間は20分で42%、1時間で56%も忘れてしまうそうです。なので、必ず施設説明の後にはイエスポイントをまとめたページが必要になります。

ビジュアル&箇条書きで、スタッフは力強く読めばいいだけにページを作成することです。

こうすることで、お客は頭が整理でき、次なる行動である入会にスムーズに進むことができます。

入会の確保

この段階では、まだオプションである高額パッケージ商品の説明はいたしません。確実に入会に導き、入会申込書を記入くらいまでは進めていただいて大丈夫です。申込書記入時、または記入後のタイミングで次なる仕掛けが必要になります。私がお勧めするのは、他のスタッフからのご挨拶作戦です。例えば、レクサスなどの販売店で車を購入した場合、納車の際には責任者を筆頭に名刺を持ちご挨拶の行列ができます。お客様として最大限歓迎していただいている感じを表しているわけです。その他、高級ブランドの販売店などでも同様の対応がされるものです。

前号で例に取った結婚式場業界でも、最低ランクのコースでまず契約を取り、その後試食会やドレスの試着などの打ち合わせの度にオプションを加えていくわけです。

話を戻しますと、フィットネスクラブの場合も支配人や他の主要スタッフが歓迎してあげるだけで、お客のハッピー指数はウナギ登りとなります。この状態に持っていかないと、財布の紐が大きく緩むことはないのです。

期待と不安

入会決意後、一転今度は不安を煽っていきます。めくられたセールスブックには、他の入会者が良く口にする不安点を例に挙げましょう。あくまで施設側の問題ではなく本人側の不安点です。クラブに馴染めるのか?定期的に通い続けられるのか?ちゃんと結果を見据えて頑張れるか?このような事は誰でもが抱く不安です。過去の運動やダイエット関連のチャレンジ経験などを聞き出すことにより、その不安を大きくさせることは容易なことだと思います。

オプションの提案

ここで初めて登場するのが、オプションの高額パッケージ商品になるわけです。

このような商品は料金表に並べておいても、勝手に売れるものではありません。売るものなのだと意識することです。

セールス方法としては、先ほど煽った不安は全てこのパッケージを購入することで解消することを伝えることです。

例えば、

クラブに馴染めるのか? マンツーマンでのパーソナル指導なので、トレーナー達との距離も近く馴染みやすい環境ができること。

定期的に通い続けられるか? 完全予約制なのでサボらずに優先順位が下がることなく通うことができるので通う習慣ができてくる。

結果を見据えて頑張れるか? 食事指導やサプリメントなど、プロによる専門的な指導に身を任せられる。

次のページでは、高額パッケージ商品を購入し、不安を克服し成果につなげた会員の声とコース開始時と終了時の結果を紹介していきましょう。

価格の正当性

良さや必要性を認識しても、即契約にはなかなか持っていけないものです。

ライザップなどの有名な他社と比較して、提案している内容に正当性があるかどうかを納得させることが必要です。

2ヶ月○万円などの商品をよく見かけますが、詳細がぼかしているクラブも多いです。これではお客は納得しません。

パーソナル料金は1回いくらが相場なのか?

それが何回含まれていていくらなのか?

サプリメントはどの商品がいくつ入っていくらなのか?

アマゾンなどではいくらで流通しているのか?

遺伝子検査はいくらなのか?DHCなどが提供している5,000円程度のものと何が違うのか?

などなど全てを足していき、合計金額がいくらであり、パッケージで購入することでどの程度の割引と、追加特典があるのかを明確にしなければ売れません。

前号同様に他業種ですが結婚式場の比較資料を添付しますので参考にしてください。

さらに、パーソナルジムなどとの違いを伝えましょう。パーソナルジムは通い続けるには毎回お金がかかるので不向きであり、結果が出たら定額制の一般のクラブに移籍する必要が生まれます。そこでは、また人間関係を一から構築する必要があり、結構それがストレスだったりするわけです。これがフィットネスクラブであれば、パーソナル指導以外にも、フリー利用やプログラム参加ができ、そのアテンドもパーソナル指導トレーナーが行うことでスムーズに馴染めるはずです。さらに、定期的なプログラムチェックも都度で行えるので、長期に渡りクラブライフが充実することを明確にイメージさせるのです。

ズブな素人でも、多少のお金で一生役立つ運動・栄養知識、通う環境、そして成果を手にすることができるのです。

クロージング

良さがわかれば、最後は金額に対する踏ん切りです。

一旦別の価値観と比較することで、踏ん切りがつきやすくなりますので、同額くらいの贅沢品と比較します。「それなりのブランド品のバッグ1個分にも満たない金額で・・・」などという感じです。

最終最後は、ページをめくるとクラブのお客に対しての宣言文があり、スタッフ集合写真、会員との集合写真でまとめます。セールススタッフは、その宣言文を気持ち込めて読み、是非私たちにお任せくださいと頭を下げましょう。

お客からの反応があるまでの数秒間は頭を下げておくわけです。

お客は、入会を決意したクラブでの印象を良くしたいという意識も働きますので、曖昧でも好意的な言葉を発するはずです。

この言葉に対して素直に喜び、是非一生懸命頑張らさせていただきますと宣言すると・・・多くが自然と契約になります。

このタイミング、空気を読むには研修と現場での成功体験を積むことですが、今までと違い、同じ入会者数でも売り上げで見ると驚異的なアップとなります。

是非、本気で取り組んでいただきたいと思います。