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コラム COLUMN

Z世代のフィットネス意識調査 継続の鍵は自己肯定感と社会的強制力

2026年06月10日
投稿者 : フィットネスコンサルティングネットワーク編集部

「痩せたいから運動する」。

そんな従来の常識が、Z世代には当てはまらなくなっているかもしれません。

 

株式会社Reaplus(リアプラス)が実施した「Z世代のフィットネス意識に関する定性調査」では、若年層がフィットネスに求める価値として、身体的な変化よりも自己肯定感や日常の充実感を重視していることが明らかになりました。

 

これまでのフィットネスマーケティングでは、「痩せる」「筋肉をつける」「理想の身体を手に入れる」といった結果が主な訴求ポイントでした。

しかし今回の調査では、「家から出た自分を褒めたい」「友人と会うきっかけが欲しい」「サウナや美容サービスも利用したい」といった声が多く聞かれ、運動そのものよりも、その過程で得られる気分の変化や満足感が重視されていることが分かりました。

 

 

続けるために必要なのは“意志”より“環境”

調査の中で特に印象的だったのが、フィットネス継続の要因についてです。

 

参加者からは、「友人に誘われたから始めた」「恋人と一緒だから続いている」「予約制だからサボれない」といった意見が挙がりました。

多くのZ世代は、自分の意志だけで継続することに自信を持っておらず、周囲との約束や仕組みによって行動を維持していることがうかがえます。

 

従来は「24時間いつでも利用可能」「好きなタイミングで通える」といった自由度の高さがジムの魅力とされてきました。

しかし若年層にとっては、むしろ「予約が必要」「友人と約束している」など、適度な強制力がある環境の方が継続しやすいようです。

 

 

「映え」から「ヘルシーな充実感」へ

SNS上で憧れの対象にも変化が見られています。

 

以前は高級ホテルやラグジュアリーなライフスタイルなど、華やかな投稿が注目を集めていました。

しかし現在は、ランニングや登山、ヨガ、アウトドアといった健康的で自然体なライフスタイルへの関心が高まっています。

 

また、美容系インフルエンサーが本格的にランニングへ挑戦する姿など、本来のイメージとのギャップが感じられる投稿に強い共感が集まる傾向も見られました。

完璧な結果よりも、努力する過程や等身大の姿に魅力を感じる価値観へと変化しているようです。

 

 

フィットネス市場に求められる新しい価値

今回の調査結果から、企業やブランドにとっていくつかの重要な示唆が見えてきます。

 

まず一つ目は、「痩せる」ではなく「気分が良くなる」を訴求することです。

若年層は減量や筋力向上といった結果だけでなく、気分転換やストレス発散、リフレッシュ、自己肯定感の向上といった心理的な価値を求めています。

 

二つ目は、「自由」よりも「適度な強制力」を設計することです。

友人紹介制度やグループ入会、予約制レッスンなど、人とのつながりや約束を活用した仕組みづくりが継続率向上につながる可能性があります。

 

そして三つ目は、フィットネス施設を「運動施設」から「ご褒美施設」へ進化させることです。

若年層はトレーニングマシンの数だけでなく、サウナや美容設備、充実したアメニティ、SNSで共有したくなる空間づくりなど、体験価値そのものを重視しています。

 

 

自分を少し好きになるためのフィットネス

今回の調査について、Reaplus代表取締役の松元詞音氏は、「Z世代にとってフィットネスは『身体を変えるための努力』ではなく、『自分を少しだけ好きになるための行動』になっている」と分析しています。

 

また、今後のフィットネスマーケティングにおいては、運動そのものを売るのではなく、「続けたくなる環境」「自然と行動できる仕組み」「頑張った自分を肯定できる体験」を提供できるかが重要になると指摘しています。

 

フィットネス市場は今、大きな価値観の転換点を迎えています。

成果だけを求める時代から、日々のプロセスや心の充実感を大切にする時代へ。

Z世代の意識変化は、今後の健康産業やマーケティング戦略に新たな方向性を示しているのかもしれません。